「納品したのに、大幅な修正が返ってきた……」「何度直しても、クライアントのOKが出ない……」
——こんな経験、ありませんか?
この記事は、案件を数件こなしたものの、手戻りや修正の多さに悩んでいるWebライターに向けて書いています。「基本的な執筆はできるけれど、なぜかクライアントとの意思疎通がうまくいかない」——そんな方にこそ読んでほしい内容です。
この記事でわかること
- クライアントとの「意図ズレ」が起きる本当の原因
- 受注直後・執筆中・納品時、それぞれの場面で使える自己診断チェック
- コピペで即使える確認メッセージのテンプレート(全4種)
読み終えるころには、修正依頼が目に見えて減り、クライアントから「この人は分かっている」と信頼される進め方が身についているはずです。
ライティング副業で本当に必要な「コミュ力」とは?
ライティング副業で求められるコミュ力とは、雑談が上手いことでも、返事が早いことでもありません。
クライアントの頭の中にある完成イメージを、執筆前に自分の頭にも正確にコピーする力——
つまり「意図ズレを事前に潰す力」です。
この力が不足していると、3つの損が一気に押し寄せます。
- 完成後に「思っていたのと違う」とゼロから書き直しになる時間の損
- 修正対応に追われて時給換算が激減する報酬の損
- 「指示を読めない人」という印象がつき、継続やスカウトが途絶える信頼の損
では、どうすればこの損を防げるのか?
カギになるのは、案件の流れに沿った3つの工程で「確認してから動く」習慣をつくることです。
以下では「受注直後」「執筆中」「納品・修正」の各工程について、診断チェックとテンプレートをセットで紹介していきます。
受注直後のコミュニケーション ― クライアントと完成イメージを揃える
「書かれていない前提」を想像で埋めていませんか?
クライアント:「SEO記事をお願いします。初心者向けで、2,000文字くらいで。」
ライター:「承知しました!がんばります!」
これ、実はかなり危険なやり取りです。
「初心者」とは誰のことでしょうか? 20代の会社員? 60代の定年退職者? 読者像が変われば、使う言葉も具体例もまるで違います。
クライアントの依頼文には・・・
本人が「当然の前提」と思っているために省略された情報がたくさん含まれています。
たとえば「初心者向け」という指示の裏には、
「見込み客である30代共働き世帯に、投資の第一歩を踏み出してもらいたい」という意図があることかも。
この省略部分をライター側が自分の経験や感覚で埋めてしまうと、クライアントの意図とは別の記事が出来上がります。
厄介なのは、書いている本人は「ちゃんと要望に応えている」と思い込んでいること。完成してから初めてズレに気づくため、手戻りのダメージが大きくなるのです。
自己診断チェック ― “確認したつもり”になっていないか?
受注直後の自分の行動を振り返ってみましょう。ポイントは、クライアントの言葉をそのまま受け取っていないかどうかです。
◻︎記事の目的(読了後に読者にどうなってほしいか)を、クライアントの依頼文に書かれていなくても自分から確認している
◻︎想定読者の具体像(年齢層・知識レベル・悩み)を、自分の言葉で言い換えてクライアントに「この理解で合っていますか?」と確認している
◻︎文体・トーン・NGワードなど表現上の制約について、「特になし」と言われても「たとえばこういう方向性ですか?」と具体例を出して確認している
「確認した」と「相手の言葉をオウム返しにしただけ」は違います。
たとえば「初心者向けですね、承知しました」はオウム返しであり確認ではありません。
「初心者というのは、投資経験がまったくない20〜30代のイメージでしょうか?」と自分の言葉で言い換えて初めて、認識のズレが見える化されます。
そのまま使えるテンプレート:受注直後の確認メッセージ
〇〇様
このたびはご依頼いただき、ありがとうございます。
認識をすり合わせたく、3点確認させてください。
【1. 記事の目的】
この記事を読んだ読者に、最終的にどのような行動をとってほしいですか?
(例:商品ページへのクリック/資料請求/理解を深めてもらうだけ、など)
【2. 想定読者】
読者の具体的なイメージを教えていただけますか?
(例:30代会社員・投資未経験・「つみたてNISA」という言葉は聞いたことがある程度)
【3. 表現上の制約】
文体やトーン、避けるべき表現などのご希望はありますか?
(例:「です・ます調」で統一/競合A社の名前は出さない/カタカナ用語は最小限に)
ご回答をもとに構成案を作成いたしますので、お手数ですがよろしくお願いいたします。
このテンプレートを送るだけで、「思っていたのと違う」が起きる確率は大きく下がります。
クライアントの回答が曖昧だった場合は、「〇〇という理解で進めてよろしいでしょうか?」と、こちらから仮説を提示するとスムーズです。
ここまでが「受注直後」の工程です。完成イメージを揃えたら、次は実際の執筆中にズレを防ぐコミュニケーションに進みましょう。
執筆中のクライアント対応 ― 不安とズレを早めに潰す
「完成してから見せるのが丁寧」という思い込みはしていませんか?
ライター(心の声):「この段落、クライアントの意図と合っているかな……でも、いちいち聞いたらウザいって思われそうだし、とりあえず最後まで書き切ろう」
——3日後——
クライアント:「第2章の方向性がイメージと違いますね。ここ、全面的に書き直しをお願いします」
最後まで書き切ってから方向性の違いを指摘されると、修正のダメージは最大になります。
「途中の段階で見せるのは失礼」「中途半端なものを出したら評価が下がる」——そう思っていませんか?
実はクライアントの多くは、途中段階で相談してくれるライターの方が安心できると感じています。
なぜなら、完成品を待つ間の「あの人、ちゃんと書いてくれているかな……方向性、大丈夫かな……」という不安こそ、クライアントにとって最大のストレスだからです。
途中で共有してくれるライターは、その不安を解消してくれる存在として信頼されます。
自己診断チェック ― 「聞けない」が手戻りを生んでいないか?
◻︎ 構成案や見出し案の段階で一度クライアントに見せている
※「見出しだけのリスト」でも十分。完璧な構成案を作る必要はありません
◻︎ 執筆中に判断に迷ったら、「こう思うのですがどうでしょう?」と自分の考えを添えて24時間以内に質問している
◻︎ 当初の方針から大幅に変わりそうな場合、自己判断で進めず事前に相談している
ここで注意してほしいのが、「質問しすぎると迷惑では?」という心配です。
確かに、調べれば分かることを何度も聞くのは問題です。
しかし、記事の方向性に関わる判断をライターが一人で抱え込む方が、結果的にはるかに大きな迷惑(=全面書き直し)になります。
「迷ったら聞く」は、迷惑ではなくプロの判断です。
そのまま使えるテンプレート①:中間共有メッセージ
〇〇様
お世話になっております。
現在、約50%まで執筆が進みましたので、途中経過を共有いたします。
【進捗】
・見出し構成:確定
・本文:第3章まで執筆済み(全5章予定)
・完成見込み:〇月〇日(予定通り)
【ご確認いただきたい点】
第2章の「〇〇」について、△△という切り口で書いていますが、
方向性に違和感がないかご確認いただけると助かります。
※ 該当箇所を添付しています。お忙しいところ恐れ入りますが、
簡単なご確認だけで構いませんので、よろしくお願いいたします。
そのまま使えるテンプレート②:執筆中の質問メッセージ
〇〇様
執筆中に1点確認したいことがあり、ご連絡いたしました。
【質問】
「〇〇」のセクションで、具体的な数値データを入れるべきか迷っています。
・案A:〇〇省の公式データを引用して信頼性を高める
・案B:数値は入れず、読者の共感を重視した体験談ベースにする
私としては案Aが読者の納得感につながると考えていますが、
〇〇様のご意向はいかがでしょうか?
※ どちらでも対応可能ですので、お気軽にご指示ください。
質問する際のコツは、「どうしましょう?」ではなく「AかBか」の選択肢を提示すること。クライアントの判断コストを下げることが、「仕事がしやすいライター」という評価につながります。
さて、ここまでで受注直後と執筆中のコミュニケーションをカバーしました。
最後は、多くのライターが最も苦手とする「納品・修正」の場面です。
納品・修正時の対応 ― クライアントとの修正ラリーを一回で終わらせる
「曖昧な形容詞」をそのまま受け取っていませんか?
クライアント:「第1章、もう少しカジュアルなトーンにしてください」
ライター:「承知しました!」
——修正後——
クライアント:「うーん、カジュアルすぎますね……もう少し落ち着いた感じで」
——再修正後——
クライアント:「方向性は良いんですが、ここの表現はもう少し……」
修正指示には「もう少し」「カジュアルに」「分かりやすく」といった程度や方向性が曖昧な形容詞がよく使われます。
問題は、こうした言葉が指す範囲が人によって大きく異なることです。
この曖昧さを解消しないまま「自分なりの解釈」で修正すると、正解のない的当てゲームが始まります。
これを防ぐカギは、修正に着手する前に「こう直す予定です」と方針をすり合わせるひと手間にあります。
自己診断チェック ― 「言われた通りに直した」で終わっていないか?
◻︎ 修正指示を受けたら、「カジュアルにとは具体的にどの程度か」のように、曖昧な表現を具体的な行動レベルに言語化してから着手している
◻︎ 修正方針を「修正前→修正後」のビフォー・アフター例付きでクライアントに共有し、OKをもらってから作業している
◻︎ 再提出時に「どこを・どう変えたか」の変更リストを添えて送っている
「言われた通りに直しました」は一見誠実に見えますが、実はクライアントの曖昧な指示を解釈する責任をライター側が一方的に引き受けている状態です。
その解釈がズレていれば、再修正は避けられません。
修正前に方針を確認することは、責任を押し付けるのではなく、お互いの認識を揃えて無駄な作業をなくすための協働のプロセスです。
そのまま使えるテンプレート:修正方針の確認メッセージ
〇〇様
修正のご指示、ありがとうございます。
着手前に方針を確認させてください。
【いただいた修正指示】
「第1章のトーンをもう少しカジュアルにしてほしい」
【修正方針(案)】
・「〜です。〜ます。」の連続を減らし、「〜ですよね」「〜してみてください」など
語りかけ調を適度に混ぜる
・専門用語は初出時にカッコ書きで補足し、読者の負担を下げる
・ただし、データ引用部分は正確さを優先し、現状のトーンを維持する
【修正箇所の参考例】
修正前:「〇〇は△△であるため、□□を検討すべきです。」
修正後:「〇〇は△△なので、□□を検討してみるのがおすすめです。」
この方向性で問題なければ、着手いたします。
再提出は〇月〇日(〇曜日)を予定しております。
ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
このテンプレートのポイントは3つです。
- まず、修正指示を自分の言葉で復唱することで、認識のズレを可視化できます。
- 次に、ビフォー・アフターの例を示すことで、クライアントが完成形を事前にイメージできます。
- 最後に、再提出日を明記することで、クライアントの不安を取り除けます。
まとめ ― 修正を減らすライターの共通点は「確認してから動く」習慣
本記事で紹介した3つの工程を振り返ります。
- 受注直後:「目的・読者・制約」を確認して、完成イメージをクライアントと揃える。
- 執筆中:迷ったら抱え込まず、自分の考えと選択肢を添えて早めに相談する。
- 納品・修正:修正指示をそのまま直さず、方針を言語化してからOKをもらって着手する。
3つの工程に共通するのは、「確認してから動く」というシンプルな習慣です。特別なスキルは必要ありません。
ただ、「分かったつもりで進めない」と決めるだけで、修正の回数もクライアントとの関係も大きく変わります。
まずは小さな一歩から。次の案件で、受注直後の確認テンプレートを1つ送るところから始めてみてください。 たった1通のメッセージが、「修正だらけの消耗戦」から「信頼で回る好循環」へ変わるきっかけになるはずです。

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