
動画編集は、何を学べばいいの?
どこまでできたら、稼げるようになるの?
編集の技術は、今やYouTubeやAIツールで独学でも身につく時代です。
実際、これから紹介する9人の多くが、お金をかけずに習得しています。
ただ、9人を取材して見えたのは、もう一つの事実でした。
稼げる人は、「技術」のほかに「ある力」を持っていた。
技術もポートフォリオもあったのに、応募が一件も通らなかった人もいます。
この記事では、9人のリアルな体験をもとに、動画編集の副業で稼げるようになるまでの全体像を整理します。
- 動画編集の副業に必要な「技術スキル」5つ
- その基礎スキルで実際にいくら稼げるか
- 技術だけでは稼げない理由と、もう一つ必要な力
今回話を聞いた9人
この記事は、実際に動画編集で副業をしている9人への取材をもとにしています。
年齢も立場もバラバラの9人が、どう稼いでいるのか。まずは顔ぶれを紹介します。
| 名前 | 年齢・立場 | 月収の目安 |
|---|---|---|
| 棚橋さん | 23歳・フリーランス | 35万円 |
| 富島さん | 27歳・大学院生 | 20万円 |
| me_bnさん | 41歳・主婦 | 7万円 |
| ハマダさん | 49歳・会社員 | 10万円 |
| 山田さん | 18歳・学生 | 6万円 |
| りなさん | 34歳・会社員 | 7万円 |
| Reoさん | 22歳・学生 | 30万円 |
| 夢子さん | 29歳・主婦 | 5万円 |
| けいたさん | 24歳・会社員 | 4万円 |
学生から主婦、会社員まで。動画編集の副業は、立場を問わず始められるのが特徴です。
そもそも動画編集の副業って、どんな仕事?
まず、9人が実際にどんな案件を受けているのかを見てみます。
| 動画の種類 | 動画の性質 | 体験者 |
|---|---|---|
| YouTube動画 | 長尺・ショート・切り抜き | 山田さん、Reoさん、りなさん、夢子さん、けいたさん |
| SNS向けの動画 | TikTok・Instagramのリール | me_bnさん、ハマダさん |
| 企業向けの動画 | 広告・セミナー動画 | 棚橋さん、富島さん |
ジャンルはさまざまですが、9人に共通していることが1つあります。
全員、カットやテロップが中心の「動画編集の基礎」から始めているということです。
いきなりAfter Effectsを使った派手なアニメーションや
カラーグレーディングから入った人は、一人もいませんでした。
最初はYouTubeやショート動画の基本的な編集から入り、少しずつ対応できる幅を広げていく。
だから、これから始める人も「まずは基本的な編集から」で大丈夫です。
難しそうな技術は、後から必要に応じて足していけばいい。
では、その「基本的な編集」とは具体的に何なのか。次で見ていきます。
動画編集に必要な「技術スキル」5つ
9人が実際の案件でやっている作業を整理すると、基礎となる技術はだいたい次の5つに集約されます。
- カット編集 … 不要な部分を削り、テンポを整える
- テロップ(字幕) … 話の内容を文字で見せる
- BGM・効果音 … 雰囲気や強調をつける
- 画像・素材の挿入 … 図やイラストで分かりやすくする
- サムネイル作成 … クリックされる表紙を作る
この5つができれば、YouTubeやSNSの案件はひと通り対応できます。
実際、9人の多くがこの範囲で案件をこなしています。
「カットして、テロップを入れるだけ」と簡単に思えるかもしれません。
でも、基礎的な作業にこそ、考えるべきことが詰まっています。
たとえばテロップ。
9人のうち何人もが「一番時間がかかったのはテロップだった」と振り返っています。
テロップのタイミング調整やテンポ感を掴むのに苦労した。ただ切るだけと思っていたが、見やすさを出すのが一番難しかった。
最初は喋った内容を全部テロップに入れてしまい、画面が情報過多に。どこを削るかを覚えるのに時間がかかった。
クライアントごとに言葉の要約の仕方が違うので、テロップ入れが一番慣れるのに時間がかかった。
3人が苦戦したのは、操作の難しさではありません。
「何を残し、何を削るか」「相手にどう見せれば伝わるか」という、判断の部分です。
裏を返せば、こうした基礎技術を身につける過程は、「誰かに、何かを分かりやすく伝える」という動画編集の本質を学ぶことでもあります。
使うソフトは「Premiere Pro」が基本
9人が使っているソフトを見ると、Adobe Premiere Proが圧倒的多数でした。
9人中6人が使っています。
理由はシンプルで、案件で「Premiere Pro指定」とされることが多いからです。
ネット上に情報が多く、操作で困ってもYouTubeで検索すればたいてい解決できるのも強みです。
一方で、ジャンルによっては別のソフトを使う人もいます。
スマホ完結のCapCut(ハマダさん)、ゆっくり動画向けのYMM4(夢子さん)、AIで字幕やカットを自動化できるVrew(けいたさん)など。
やりたいジャンル次第ですが、迷ったらPremiere Proにしておけば、対応できる案件の幅は一番広くなります。
この基礎スキルで、9人はいくら稼いでいるか
ここまで紹介した「5つの基礎スキル」で、実際にどれくらい稼げるのか。
9人それぞれの単価と月収を並べてみます。
| 体験者 | 主な案件 | 初期の単価 | 現在の単価 | 月の案件数(目安) |
|---|---|---|---|---|
| 山田さん | YouTube長尺・ショート | 1,000〜2,000円 | 3,000〜5,000円 | 約12本 |
| Reoさん | YouTube・ディレクション | 5,000円 | — | — |
| 棚橋さん | 企業向け・YouTube | 8,000円 | 40,000円 | 約9本 |
| けいたさん | AI字幕動画 | 2000円 | 5,000円 | 約8本 |
| 富島さん | ショート・広告 | 2,000円 | 8,000円 | 約25本 |
| 夢子さん | ゆっくり動画 | 10,000円 | 10,000円 | 約4本 |
| りなさん | YouTube横動画 | 4,500円 | 6,000円 | 約10本 |
| me_bnさん | SNS動画 | 低単価中心 | 継続案件中心 | — |
| ハマダさん | 企業向け縦型ショート | 1,000円 | 5,000〜10,000円 | 約10本 |
並べてみると、いくつか見えてくることがあります。
ひとつは、ほぼ全員が「低単価」からスタートしていること。
ショート1本2,000円といった時期を、多くの人が通っています。
そこから続けるうちに、単価が2倍・3倍に上がっていく。これが共通したパターンです。
もうひとつは、単価が上がると、案件数は増やさなくてよくなること。
富島さんは月25本前後をこなしていますが、単価の高い企業案件に移った棚橋さんは月9本ほど。
本数を追うより、1本の単価を上げるほうが、時間あたりの稼ぎは効率的になります。
ポイントは、基礎スキルだけでも案件は取れて、お金になるということ。
そして続けるほど単価は上がっていく。最初から高度な技術は要りません。
でも、技術が身についても案件は取れない
ここまで技術の話をしてきましたが、動画編集で稼げるかどうかを決めるのは、実は技術ではありません。
導入でふれた「もう一つの力」——その正体は、仕事を取る力です。
提案文の書き方、案件の選び方、継続につなげる力。
これがなければ、どれだけ編集がうまくても案件は取れません。
実際、技術は十分なのに一件も通らなかった人がいます。
富島さん(27歳・大学院生)
YouTubeとUdemyで技術を固め、ポートフォリオも用意して応募。それでも30件応募して通過率0%、返信すら来ない日が続いた。
Reoさん(22歳・学生)
中学から動画制作をしてきて技術には自信があった。それでも案件をこなすうちに行き詰まり、10分の動画に20時間、時給換算で250円まで落ちた。
二人とも、編集はできた。それでも、最初は壁にぶつかったんです。
でも、二人ともそこから抜け出しました。
おもしろいのは、その抜け方がまったく違ったことです。
一人は独学のまま、もう一人は環境を変えて。順番に見ていきます。
独学のまま、自分で仕事の取り方を見つけた人
富島さんがまず気づいたのは、戦う場所が間違っているということでした。
クラウドソーシングは経験者との競合が激しく、実績ゼロの状態では通過率がほぼゼロ。
30件応募して0%という結果を前に、「ここで戦い続けても勝てない」と早い段階で見切りをつけます。
そこで切り替えたのが、Xでの発信でした。
「応募して選ばれるのを待つ」のをやめ、自分の作品を発信して「見つけてもらう」側に回ったのです。
結果、初めての案件はXのDM経由で決まりました。
今では依頼の6割がX経由の直接依頼になり、応募数は月3〜5件まで減ったのに、通過率は70〜80%に跳ね上がっています。
つまり富島さんは、お金をかけず、独学のまま「仕事の取り方」そのものを自分で見つけたわけです。
足りなかったのは技術ではなく、「どう見つけてもらうか」という発想の転換でした。
環境を変えて、スクールで掴んだ人
一方のReoさんは、別の道を選びました。
技術はあったのに、一人だと「どこをどう直せば効率が上がるのか」「単価をどう上げればいいのか」が分からない。
「技術以前に、相談できる相手も、仲間もいない。一人で抱え込んで、伸び悩んでいました」
そこでReoさんは、動画編集スクールに移ります。
そこで得たのは、編集技術そのものより——情報、人脈、モチベーションでした。
同じ目標を持つ仲間ができ、他の人の成果報告に刺激を受け、止まっていた成長が再び動き出しました。
大事なのは、Reoさんも「独学が失敗だった」わけではないことです。
技術は独学で身につけ、実際に稼いでもいた。
ただ、一人で抱え込む独学には限界があった。
その限界に行き当たったとき、環境を変えるという選択をした、ということです。
一方で、スクールが正解とは限らない
ただし、「じゃあスクールに行けば解決」かというと、そうとも言い切れません。
ハマダさんは、独学から体系的に学ぼうとスクールを受講した一人ですが、評価は正反対でした。
基礎は学べたものの、一番知りたかった「実際に案件をどう獲得して収益につなげるか」という実践的な部分は、ほとんど教えてもらえなかったというのです。
「もし今からやり直せるなら、そのスクール費用はそのまま営業活動・AIツール・実績作りに使います」
ハマダさんは「編集スキルの学習自体は、YouTubeとAIで十分」と言い、
仕事が取れない原因はスキル不足ではなく「営業の量」と「提案文の質」だと結論づけています。
結局、動画編集は独学とスクールどっちがいい?
ここまで見てきたように、動画編集で稼ぐには2つの力が要ります。
編集の技術と、仕事を取る力です。
そして、どちらも独学で身につけた人もいれば、スクールで身につけた人もいました。
技術については、独学でもスクールでも習得できます。
お金をかけず自分で調べて進めるか、費用を払って体系的に早く学ぶか。
仕事を取る力も同じで、富島さんのように独学のまま自分で見つけた人もいれば、Reoさんのように環境を変えて掴んだ人もいる。
どちらが正解、ということはありません。
お金をかけずに自分で掴むか、お金で環境を買って近道するか。技術と仕事を取る力、その両方をどうやって揃えるか——大事なのは、自分がどちらに向いているかです。
独学とスクール、それぞれどんな人に向いていて、何が違うのか。
9人の取材から、その「分かれ道」を詳しくまとめた記事があります。自分はどっちのタイプか、考えてみたい方はこちらをどうぞ。
すでに「自分はスクールが合っていそう」と感じた方は、
目的別にスクールを比較したこちらも参考になります。






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